とても不思議な巡り合せだった。
チャッピーが逝ってしまったのが5月2日。
6月2日は祥月命日、チャッピーのお墓に花を供えて手を合わせた。
「チャッピーは何時も一緒に居るよ。いつまでも一緒だよ」
出会いは翌日だった。
急いで出掛けようと、玄関のドアを開けた瞬間、思わず「アッ」と叫んでしまった。
そこに2匹の子猫が体を寄せ合って座っていたのだ。
1匹は茶トラ、もう1匹はキジトラだった。
そっと近づいて行くと、2匹は怯えて逃げてしまった。
もう時間がない、後ろ髪を引かれる思いで、出掛けたけれど、2匹のことが
気になって仕方がなかった。
急いで帰って来たけれど、案の定2匹の姿はどこにもなかった。
隣人が私に「朝から居たのよねえ、こんな所に猫が来るなんて珍しいわね」
そう、私も今まで敷地内で猫の姿など見かけたことは無い。
どうしても気になるので、ダメモトで自転車置き場辺りを見回った。
そして、物陰に震えながら隠れて居る、小さな茶色い姿を見つけた。
私は急いで自宅に戻り、猫缶を持って自転車置き場に戻り、缶のフタを開け、
子猫の前にそっと置いた。
震えていた子猫は、猫缶を見た途端、怖さも忘れ、ガツガツとむしゃぶりつく。
可愛そうに、お腹が減っていたのだろう。
キジトラの方も探したけれど、見つける事は出来なかった。
きっと、逃げ回っているうちに逸れてしまったのだろう。
その小さな茶トラを見ているうちに、チャッピーの姿と重なって涙があふれて来た。
チャッピーが我が家に来た時は7ヶ月だった。
きっとチャッピーが小さい時はこんなんだったんだろうな、、、。
とりあえず保護して、病院へ連れて行ったら、1ヶ月半位の男の子だそうだ。
今、チビトラは我が家のケージの中に居る。
クルトは時々ドアの隙間から覗いては、不思議そうな顔をして首をかしげ、
クワバラクワバラ、、、みたいな感じで所定の場所に戻ってしまう。
今の私は不安だらけ、、こんな小さな猫を育てた経験もない。
クルトと上手くやっていけるのか、、このまま我が家の子にした方がいいのか、、、
チャッピーの写真に話しかける。
「ねえ、教えて、、この子はお前の生まれ変わりなの?」
そんな不安は露知らず、、、という感じでチビトラチャッピーは今日も暴れまくっている。
チビトラチャッピー